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水を通してココロ・カラダぐんぐん!お母さんたちの子育てを応援するマガジン

2017.09.28 | 健康

運動好きを育むのに大切なゴールデンエイジとは?【第3回】

【第2回】一流のスポーツ選手が上手に過ごした「ゴールデンエイジ」では、「ゴールデンエイジ」の仕組みについてお伝えしました。(前回記事はこちら)。

幼児期(1~5歳)は一生にわたって使っていく運動能力が身につく時期。運動能力は飛躍的に伸びていきます。この時期は適切な環境と運動刺激が何よりも大切です。お子さまと一緒に遊びながら運動能力を育てていきましょう。


【第3回】将来を見据え、さまざまな運動体験をしよう!~幼児期~


人間として必要ないろいろな運動能力を身につける幼児期

乳児期は、あおむけ寝から腹ばい、ずりばい、はいはい、たかばい、つかまり立ち、伝い歩きを経て一人歩きというように順を追って成長していきます。この時期は「立って歩く」ための準備段階となります。

幼児期(1~5歳)に入ると、「走る」「跳ぶ」「投げる」「転がる」など、一生涯使ういろいろな運動能力を身につけていきます。子どもは「通常の環境」で生活していれば、小学校入学までに動きは未熟なものの、だいたい大人と同じような運動ができるようになります。

活動範囲が拡大し運動能力が飛躍的に伸びる幼児期は、体を動かす適切な環境が欠かせません。お母さま、お父さまもお子さまと一緒に遊びながら体を動かして、お子さまの運動刺激を育んでみてください。

遊びの中でバランスよく、いろいろな運動を

子どもは幼児期までに一生にわたって使う能力を身につけていきます。大きく①歩く・走る、②はう・よじ登る・ぶら下がる、③跳ぶ、④投げる・捕る、⑤つく・引く・蹴るなどのものを使う動作の5つの能力に分けられます。これらは、日ごろ親子で遊ぶ中でも身につけることができます。お子さまの運動能力をバランスよく発達させるようにいろいろな動きや運動をすることが大切です。5つの基本機能を身につけるために、お母さま、お父さまがお子さまと一緒にできる運動をご紹介します。


① 歩く・走る

2本足で歩くことは人間の基礎となるものです。実際に子どもは自由に歩き回ったり走りだすので、いろいろな歩き方を習得することでどのような状況にも対応できる力が身につきます。

【遊びながらトレーニング!】ペダルこぎ

親と子で向かい合って座り、足の裏を合わせます。足の裏を離さないように、お互い足を押したり引いたりします。はじめは後ろに手をついて体を支えながら、ゆっくり動かします。慣れてきたら手をつかないで行います。動くリズムや速さを変えたり、好きな歌を歌いながら楽しくやってみてください。


② はう・よじ登る・ぶら下がる

二足歩行と同様、足と一緒に手を動かす運動は人間としての基本的な能力のひとつです。はう、ぶら下がる運動は体を支える脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)を鍛え、よい姿勢を保つのに役立ちます。

【遊びながらトレーニング!】とび越しくぐり

親は両手・両足を床につきひじひざを上げて四つんばいになり、子どもがその下をくぐります。次に親はうつ伏になり、今度はその上を子どもが飛び越えます。これをできるだけ速く繰り返します。


③ 跳ぶ

足だけでなく、腕を大きく振って体を引き上げる動きを覚えさせましょう。スキップや縄跳び、とび箱などが効果的です。

【遊びながらトレーニング!】足の上ジャンプ

親は両足を前に伸ばして座り、足を閉じたり開いたりします。親が足を開いているときは子どもは閉じ、親が閉じているときは、子どもは開きながら親の足の上を跳びます。親子で息を合わせてリズムカルに跳べるようにします。


④ 投げる・捕る

キャッチボールをいろいろなもので行います。さまざまな形、固さのものを扱う経験が大切です。

【遊びながらトレーニング!】遠くに投げよう

片手でボールを持ちできるだけ高く、遠くへ飛ばすように投げます。目標距離は子どもに応じて異なりますが、一つの目安として3〜5m先に1.5〜2mの高さでひもを渡して、その向こうを目指します。

投げるほうの腕をできるだけ後ろに引いて、上体のうねりを十分に使ってオーバーハンドスローで、「野球選手のようにかっこよく」遠くに投げられるようにします。ボールは、片手で握れる大きさのものを使用。3歳前後まではフォームにこだわらず、投げること自体を楽しみます。


⑤ つく・引く・蹴るなどものを使う動作

目から入ってくる情報をもとに道具やものを操作したり、力加減を調整したりします。ボールを使うドリブルやリフティング、綱引きなどが該当します。

【遊びながらトレーニング!】かたづけごっこ

床に置いた紙や布を足の指ではさんでつかみ、目的の場所まで運んで片付けます。どちらが早く運べるかなど親子で競争してみましょう。はじめに足の指で「グーパー」をして、閉じたり開いたりする感覚をつかみます。

「体を動かすって楽しい!」環境づくりを

こうした運動で基本的な能力を育てていくためには、お子さまが遊び感覚で楽しみつつ積極的に取り組むことが大切です。まずは、とにかくほめることです。できないからといってしかってもできるようになりませんし、逆に運動が嫌いになってしまうかもしれません。また、お子さまの運動のレベルに合わせることです。能力以上のことをやらせて苦手意識を植えつけるよりも、「できる!」という自信をもたせるようにしたいものです。何がどのくらいできるようになったのか、ビデオや記録をとってお子さまと話すことで、お子さま自身が自分の成長を感じられるようにするのもひとつの方法です。

ぜひお母さま、お父さまもお子さまと一緒に体を動かすことを楽しんでみてください。お母さま、お父さまの笑顔はお子さまにとってもうれしいものですから。 

(記事監修/朝日大学教授 白石豊)


4回目は、「ゴールデンエイジ前に運動の基礎固めを! ~小学校低学年~」こちら     

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