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水を通してココロ・カラダぐんぐん!お母さんたちの子育てを応援するマガジン

2018.10.19 | 健康

体づくりの始めの一歩! 「よく噛む」

~頑張る子どもたちを食で応援! ・第2回~




成長期の子どもたちは、骨や体を作る栄養素を十分に摂取する必要があります。

スポーツなどで毎日体を動かしているならその分だけ、多くの栄養を摂ることが不可欠になってきます。

口にした栄養を上手に体に摂り込むために重要となるのが「よく噛む」こと。噛むことの大切さについて解説します。




よく噛んで消化吸収力を高めよう!



「エネルギー源となるのは炭水化物」「肉や魚は体作りに必須」といわれます。では、ご飯や、鶏肉や豚肉、魚はどのように活動のエネルギーや筋肉になるのでしょうか。


例えば、鶏肉といったタンパク質。口に入れた後、胃からアミノ酸の分解が始まり、最終的に小腸で吸収されます。その後は、筋肉、皮膚、髪、爪、臓器、神経などの身体をつくる細胞や、酵素、ホルモン、免疫物質といった、体を調える大切な成分へと形を変えていきます。


ですから、良質のタンパク質を摂取するだけでなく、自らで消化力と吸収力を高め、タンパク質がしっかりと“身体”の一部になっていくようにすることが重要となります。

そこで十分に活用したいのが、自分の意志もって動かすことのできる唯一の消化器官“口”です。


口の中でよく噛むという咀嚼(そしゃく)は、①食べ物を細かく砕いて表面積を増やして消化しやすくし、②口から食道、胃、小腸、大腸を経て肛門まで一本でつながっている食べ物の通り道に「食べ物が来るよ。消化液を分泌させて準備せよ!」と指令を出す働きがあります。よく噛むと口の中で唾液が分泌されますが、この唾液の分泌がなければ、その指令が発せられないのです。


食べ物はきちんと消化吸収されて始めて、栄養素として体作りを支えるのです。

「よく噛むこと」は、アミノ酸のみならず炭水化物、ミネラル、ビタミンといった体に必要な栄養素の吸収力を上げることにつながっていきます。


人間の活動の基本は「食べる」「動く」「寝る」



私たちの毎日の動きをよくよく分析してみると、「食べる」に加え、「動く」「寝る」の3つの活動で構成されています。そしてこの3つの活動は強く関係し合っていて、適切な栄養補給したうえでしっかりトレーニングし、休息することによって、体が作られていきます。


「動く」の代表である運動によって、骨や筋繊維には大きな刺激や負荷がかかってきます。しかし、受けたダメージを回復する力(恒常性)が働き、骨の代謝がより活溌になり、体が鍛えられていくのです。


鍛え続けるために、栄養の補給が必要になりますし、十分な睡眠も大事になってきます。


疲れた体は、睡眠時に横になると重力から解放され、成長ホルモンがより分泌され、筋肉・骨ともに以前にもまして太く大きく修復されていきます(超回復力)。


スポーツする子どもたちは大人よりもたくさんの栄養が必要! 



運動をする成長期の子どもたちの食生活では、配慮すべきことがあります。


まずは、必要となる栄養素の量です。運動する子どもたちはトレーニングした分だけたくさんの栄養素が必要になりますが、運動分で消費した栄養を十分に補給しないと、成長のために準備している栄養分が使われてしまうのです。


必要な栄養素や食事量は、競技種目、練習量、体格などによって異なります。例えば、スポーツをしない成人の1日に必要なカロリーを1800〜2200とすると、水泳のような全身運動をする人の必要なカロリーは約2.1倍の4,000〜4500です。成長期にあるジュニアアスリートは大人並みか、それ以上に多くの栄養素やカロリーを摂らないと足りません。


体の基礎が作られる成長期に、「食べる」ことを核とするこの3活動のサイクル化をしっかりと習慣化しておくことがお子さまの大きな財産になるはずです。

(記事監修/スポーツ栄養アドバイザー石川三知)


第3回目は、「栄養素たっぷりの献立で、成長をサポート」です。

どうぞお楽しみに。


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