2019.06.14| 育児

4~5歳児とのコミュニケーション ~集団授業への準備! 心の理解を高める~


子どものコミュニケーション力を育てる!【第4回】



4歳で自我が芽生え始め、5歳では他者の存在を意識するようになります。

この時期の子どもは、心の中は皆異なり、そこに映し出される内容は一様ではないことに気づき、心の理解が大きく進みます。

就学前に、“目に見えない”他者の心の理解ができていると小学校生活のスタートがスムーズに切れそうです。

(記事監修/東京学芸大学教授 松井智子)



4・5歳の心の中


4歳は本格的に自我の発達が始まり「あれをしたい」「これは嫌!」と自分の気持ちを鑑み、ものが言えるようになってきます。


5歳ぐらいになると、他者の言動が視野に入ってくるようになります。

他者の心を理解した上で「ママ、お荷物重いよね。もってあげる」という相手を慮(おもんぱか)る一言が聞かれたりするのです。


5歳ごろには、①人には目に見えている世界と心の中の世界があり、その二つは必ずしも一致していないことを理解します。

そして、言葉になっている情報と言葉になっていない情報の区別ができるようになります。

この点が、自分が考えていること、見えていることが世界のすべてだと信じている3歳とは大きな違いになるのです。


さらに、②心の中は個々人で異なり、そこに映し出される内容は一様ではないという個人差がわかってくると、子どもたちはグループ分けを始め、好きな人に対しては“仲間”という意識が芽生えてきます。




就学前に獲得したい、他者の心を推測する心の理論


5歳といえば、保育園・幼稚園では年長となり就学が目前。

この時期に、集団授業がなされる小学校でのスムーズなスタートを切るために押さえておきたい能力があります。


その一つが「心の理論」と呼ばれる、他者の考えや意図といった心の中にあるものを推測する力です。

コミュニケーション能力を構成する一要素で、5歳ぐらいになって初めて獲得されるものです。


文章例:先生が「明日、体操服をもってきてください」と、言っていたよ。


5歳児にとっては、「もってきてください」と指示する人が、実際には自分の視界に入っていないため、この文の理解は容易ではないようです。



話し手が、第三者の意向を伝えているという状況がわからないと、聞き手は何をすればいいのかわからず、困ってしまいます。


反面、この文章を正しく理解できている子どもは、他者の考えや意図を推測する力が育ってきていると判断できます。


「心の理論」を踏まえ、先程の文章の意味を理解できる子どもは、小学校入学後、クラスメート同士が騒いでいる状況を静観しながら、自分がいつ何を言えばいいか、を察知できる。

そして、その能力を使って困っている仲間に手を差し伸べることもできる。

そんなことも認知科学の分野で明らかになっています。言語力と心の理論は深く結ばれているのです。



就学前の多くの子どもは「○○は〜と言った/〜と思いました」という複雑な文章に慣れていません。

しかし、小学校の教科書には、この文章が出てきます。

先取りとしても「○○ちゃんが〜と言っていたね」「○○ちゃん、〜と思っているんだって」という構文を就学前に継続的に使ってみてはどうでしょう。


また、5歳ぐらいになって生活に必要な基本的会話ができるようになると、使用する言葉が定まり、語彙の広がりが鈍化することがあります。

こんな時は周囲の大人が、いろいろな言葉を入れて会話するように工夫してみましょう。


また、子どもが興味をもっている分野の絵本などを読み聞かせ、普段の生活シーンのなかではなかなか登場しそうもない言葉に接して、語彙を増やしていくことも効果があるのでお試しください。





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