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水を通してココロ・カラダぐんぐん!お母さんたちの子育てを応援するマガジン

2019.01.11 | 育児

子どものイヤイヤ・わがまま、どう対処したらいいの? <4歳以上編>

お母さまたちの子育てお悩み相談室【第3回】




「魔の2歳児」特有の「イヤイヤ期」が終わると程なくして、自我の発達が次のステージへと移ります。

言葉でのやりとりができるようになり、ときとして生意気な言動に翻弄されることが増えるのが、この時期。

前回に引き続き、心の成長期にどう対応すればいいのか、という悩みにお答えします。(記事監修/恵泉女学園大学学長 大日向雅美)



Q.わが子が4歳になり、言葉が発達して生意気な言動が目につきます。イヤイヤ期とは異なる難しさを感じます。




4歳ごろには本格的に自我の発達が始まり、心の面で大きな成長がみられます。

自己中心なものの見方から、徐々に他者の存在や気持ちに気づくようになり、交友関係も広がって、好きな友だちの名前もはっきりあがるようになるのです。

人の気持ちや状況・様子にも徐々に目がいき、お母さまが怒っているのも悲しんでいるのもわかってくるのです。「ママは疲れているから、わたしが荷物を持ってあげる!」という優しい言葉に感動したりするのもこのころです。


同時に「自分はできるんだ」という自尊心も芽生え始めます。それだけに失敗した時には「わたしは悪くない!」と言い張ったりするのです。

これは、「頑張ってみんなに認められたい」という願いの裏返しです。また、同じことを何度も聞いたり、「何でダメなの?」「どうして?」と次々に質問を浴びせたりもします。

こういった時に、お母さまは子育ての難しさを感じるのではないでしょうか。



Q.そんな時はどう接すればいいのでしょうか。



カチンと来て「どうしてそんなことを言うの」と怒ったり、「聞き分けがないわね」と力で抑え込もうとしまいがちです。

しかし、言葉の使い方が十分にわからないまま口にしていたり、大人が一緒に考えてくれるその状況がうれしくて、意味もなくただ言葉を発しているだけのことも少なくありません。


また、この頃の子どもたちの言葉の奥底には、言語では伝えられない、非常に面白い世界が隠れていることもあります。

思いをようやく言語化できるようになり、徐々に親の言うことを理解し始めているのですから、未完成ゆえの魅力を見つけ、親子の会話を楽しむようできるといいですね。



Q.おしゃべりができるようになったわが子は、パワーアップしてとても手ごわいように感じます。会話を楽しめるようになるための上手な対応法があったら教えてください。



たとえば、「出かけますよ」と声をかけた時に「行きたくないよ」という返答が続くなら、前もって「明日、おばあちゃんの家に行くのよ」と予告します。

出かける時間が近くなったら「準備はできている?」と声をかけてください。こうすれば前とは違う反応を見せてくれるはずです。


いきなり「行くわよ」と言われて戸惑うのは、大人と同じです。

そんな時は、「いきなり言い出して悪かったけど、ママは今日これからこういうふうにしようと思うのよ」と、「“私は”こう思う」という伝え方をするのがおすすめです。



Q.「“私は“こう思う」という伝え方とはどういうものですか。



コミュニケーションのひとつの方法として「YOU」メッセージと、「I」メッセージがあります。


「YOU」メッセージでは、子どもに要求や非難を向けがちです。「どうしてあなたはできないの」「○○しなさい」「そんなことしちゃダメ」という言い方が典型例ですが、それでは頭ごなしに命令しているのと同じになってしまいます。


一方、「I」メッセージの主体はお母さま。お子さんが思い通りに動いてくれない時に、「ママはこう思うんだけど、○○ちゃんはどうしたいの?」と問いかけてみてください。お母さまが「こうしたい」「こう思う」ということを伝えたうえで、子どもに考えさせるのです。

「ママはこうしたいんだけど」と伝えると、子どものほうでも「ママの言うことはわかった。でも、わたしはイヤなの」と同じように「I」メッセージが返ってくることがあります。


お母さまが期待していた答えが戻ってこなかったとしても、むしろ「この子は、ちゃんと『イヤ』と言えるんだ」と認めて評価する気持ちで。

そして、自我の確立過程をしっかり歩んでいる、その過程なのだと受け取り、温かく見守るようにしてみてはいかがでしょう。


人間の成長は実にさまざまで、人それぞれ成長のスピードは異なります。4歳は人間として成長していくスタートラインに立ったところ。

あせらず、今できることを楽しみながら、できないことはいずれできるようになるという気持ちで、ゆったりと関わってあげていただけたらと思います。


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