2019年7月1日
幼児期にスポーツをすることは、体力増強以外にも、努力する姿勢、礼儀、集中力などが養われるといわれますが、「水泳には、プラスαの大きな効用がある」と国士舘大学の須藤明治教授は語ります。
今回は、水中での運動が子どもたちにどのように役立つか説明していきます。
テニスの錦織圭選手、平昌オリンピック6位の女子フィギュアスケートの坂本花織選手など、世界で活躍するアスリートが幼い頃に水泳をしていたと聞きます。
私自身は、陸上の練習を全くしていなかったにもかかわらず小学校6年生の時に区の陸上大会で100mに優勝したことがあります。
これは長年、選手・コーチとして水泳に携わってきた経験を踏まえると、5歳から水泳に打ち込み、どんなスポーツにも応用できる基礎的な運動能力が鍛えられた結果だと考えています。
ひとつには、空間認知能力があげられます。
水泳は、水中という“無重力”下で行う数少ないスポーツです。
体は、真っすぐな状態で浮いており、両手と両足を使って前に進んでいきます。水中には体を支えるものが何もないので、バランスをとるために、体の軸や手足がどんな状況にあるか頭の中で立体的にイメージする空間認知能力をフル回転させる必要があります。
水泳は空間認知能力を鍛えるのに、大変役立ちます。
スポーツの勝者は、自分の思い通りのパフォーマンスもしくは、それに近い動きをしているはずなのです。
逆に言えば、自分の思っている通りに動けないと劣勢に立ってしまいます。
水泳で空間認知能力が鍛えられると、他のスポーツでも十分に応用が利くのです。