2019年8月26日
3〜8歳までの5、6年間は、身長が1年に約5?伸び、体重は約2.3?程度増で推移します。
3歳ごろには、走ったり、跳んだりできるようになり、4歳になるとさまざまな全身運動が可能となります。
5歳では、それまでに習得した全身運動が徐々に安定して安全にできるようになっていきます。
この頃は、速く、しっかりと力強く行動できるよりも安定性や安全性が重要視されるのです。
さらに6歳では、歩く、走る、跳ぶ、泳ぐ、這(は)うなどの基礎的な運動能力の発達が加速するだけでなく洗練されていきます。
こういった運動能力の向上は、体に指令を下す脳の発達を抜きにしては考えられません。
脳の中では、五感から入ってくる刺激に反応して発せられる信号伝達がスムーズになり、子どもたちができる基礎的な運動のレパートリーが増大していきます。
また、知覚、思考、推理、記憶といった人間にとって非常に重要な認知機能を担う大脳皮質が成熟するにつれ、運動やものごとの認識ができる認知能力のレベルが上がっていくのです。
認知能力とは、外界からのさまざまな情報や、目の前にあるものがいったい何であるか、どういった性質をもつかを解釈して自らの判断基準や知識として定着させる働きをいいます。
「水をかけば、水が後ろに行きその相互作用によって体が前に進む」、「これはテニスの時に使うボールだ。ラケットの真ん中にちゃんと当たるとよく飛ぶ」という理解も認知能力によるものです。
乳児期が終わる頃から、いろいろなことを詳しく丁寧に教えてあげるようにすると、それらに興味を示しその後の発達につながっていきます。
認知能力が発達する時期は、見たもの、聞いたことをそのまま現実として受け入れ、それをそのまま頭の中にインプットするので、見本や手本を示すだけでなく本物に触れさせて強く印象づけることも大切です。
スポーツ選手にしても、テレビで見るのと、目の前で話を聞いたり、握手をするのでは心に入ってくるインパクトが全く異なります。
私たちの世代の野球少年は父親に連れられて試合を見に行き、「王(貞治)選手はスゴイ!」と感動したものです。
実は、これは魔法のようなもので、実体はないのです。
しかし、認知的能力の発達段階に経験したことが大きな影響を及ぼす、という見地からいえば、数多くの本物との出合いを重ねることが大切なのは疑う余地はありません。