2020年11月6日
「心の発達の中でも就学前からしっかりと育てたいのが、自主性と主体性」と国士舘大学の須藤明治教授は力説します。
スイミングスクールを活用しながら、自主性と主体性をどのように育成していくか。そのヒントを紹介します。
子どもたちは2歳の終わりごろからだんだん自我が表れ、3歳を超えると友だちを求めるようになり社会性や情緒が見えてきます。
4歳になって「○○くん/○○ちゃんは22級に上がったのに、ぼく/わたしはまだ進級できないな」と思うのは、友だちとの関わりの中で競争心が芽生えてきている証しです。
その半面では、友だちを自分の家に誘ったりして仲良くしたいと考えるようにもなります。
特に就学前の数年間に育てておきたいのが、自主性と主体性です。
自主性とは、人との関わりの中で、自分の考えや感性を大事にして行動すること。
主体性とは、自分で「こうしよう!」と決めて行動することです。
自主性ある行動は、「お母さんやお父さんにやってもらうのではなく、自分のことは自分でちゃんとできるようになりたい」という独立心から生まれます。
ですから、周囲の大人たちが独立心を発揮する場面をつくり出すことが大事です。
自主性を育てるには、自立心も重要になります。
自立心とは、他人に指示されることなく自分一人の力でやっていこうという心構えですが、世話を焼きすぎると発達を遅らせることになるので気をつけたいところです。
主体性の感覚は、好奇心でワクワクしながらする行動や、活発な行動を通して育っていきます。
こういった感覚を呼び出すのは、スポーツを含めた遊びが効果的です。
「これやりたい!」「おもしろそうだな!」という気持ちを抑えつけないことです。
お子さまが「おもしろそうだな」と感じるような引き出しをたくさん用意して、主体的に選ばせる。
「『おもしろそうだな』と思ってやったら、とっても楽しかった」という経験や喜びがよりよい発達につながっていくのです。
スイミングスクールでコーチが「水遊びするよ。何をやりたい?」と尋ねたときに、「ボールを使いたい!」と提言できたらそれは自主性や主体性の表れといえそうです。
肯定的な自己概念の確立のために重要な時期になりますから、失敗の恐怖をなるべく軽減させるのがいいとされます。
水泳の進級試験にしても、前もって試験内容を発表し、十分に予行演習させ、自信をもたせて臨ませたいものです。
合格すると「16級合格したよ」と報告したり、皆に見えるように進級バッジを帽子やかばんにつけるのは、「頑張ったんだ」という自信の表れで、そこから友だちに「こうしたら上手にできるよ」「こうしたら泳げるよ」と説明する姿も見られたりします。
こういった行動を通して、自分に対する信頼感(自己肯定感)を深め「泳ぐのが好きだ」といった自己形成が醸成されていきます。
スイミングスクールへ積極的に「行きたい」と思っているお子さまもいれば、なんとなくスタートするお子さまもいると思います。
自分のやりたいことをはっきりと感じ取り、行動に移すことは容易なことではありません。
そういった力が不足していると感じるなら、お母さま、お父さまが「今日は何をするの?」と、お子さまのやりたい気持ちが表に出るように日常生活の中で上手に導いてあげられるといいかもしれません。
部屋の片づけ、翌日の用意、週末のお出かけの準備、お手伝い、大好きなゲームなどお子さまにもやるべきことがたくさんあるはずです。
その中から、選択させて行動させるように促すのがいいのかもしれません。
とはいっても、子どもの成長は一律ではありませんし、社会性が出てくる時期ですから、ご家族、コーチや友だちなどいろいろな刺激を糧にしつつ、個々の成長に応じた対応を心がけてみてください。
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