2015年2月20日
インフルエンザの感染報告は終焉に向かっているそうです。でもまだまだ油断大敵!職場や電車の中で、くしゃみをする人や咳(せき)をしている人はいませんか?
ホームページの医療サイトで風邪の初期症状に漢方薬をお試しあれ、といったアドバイスがありましたのでご紹介します。
多くの感染症に対して、マスクは非常に有効な予防方法です。しかし、注意しなくてはいけないのが、マスクの付け方です。どんなに性能のよいマスクを付けていても、鼻の周りや顎のあたりに隙間ができていては、ダメです。隙間からウイルスが侵入してきてしまいます。しっかりと顔にフィットさせることが重要です。
マスクで予防をしていても、風邪にかかることがあります。こんなときこそ、漢方医学の出番です。有名な「風邪には葛根湯(かっこんとう)」という落語では、とにかく風邪にかかったら葛根湯ばかり処方する医者の話ですが、実際にはそう簡単ではありません。
まずは、自分の体質を見きわめる必要があります。体力がある人、すぐに疲れる人など、体質は様々ですが、漢方医学では、「虚実(きょじつ)」で体質をはかることができます。
風邪に使われる漢方薬に、葛根湯(かっこんとう)、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)があります。どの薬も即効性があり、速やかに症状を改善してくれます。
ただ、この3つの漢方薬を有効に使うためには「風邪の初期」であることがポイントです。「ちょっと首筋が凝っている」「なんだか肩が重い」「鼻がムズムズする」「のどの違和感を感じる」など、いつもとちがう自分の体調の変化をいち早く察知して治療を開始することが重要です。もしも、体調の変化を発見できたら、すぐに自分に合った漢方薬を内服します。
葛根湯 |
小青竜湯 |
麻黄附子細辛湯 | |
---|---|---|---|
体質 |
比較的体力がある人(実) |
|
体力に自信がない人(虚) |
初期症状 |
首の後ろがはる、肩がこるなど |
鼻水がでる、鼻がつまるなど |
のどが痛くなる、声が出ないなど |
このとき、必ず白湯(さゆ)で漢方薬を飲むことを忘れないでください。3つの漢方薬はすべて体を温める作用を持っていますので、冷たい水を飲んでしまうとお腹の中から冷えてしまい、漢方薬の作用を弱めることになります。漢方薬を飲んだ後は、できる限り体を冷やさないように努めます。冷たい水で手を洗ったり、裸足で歩いたりはしないでください。
食事も大切です。風邪の時は元気をつけなくてはと、焼き肉を食べる人がいますが、これは本当に胃腸が丈夫で体力がある人だけにしてください。風邪の時は胃腸も弱っていますので、お粥(かゆ)や温かいうどんなどにネギやショウガを入れて体の芯から温まるようにされるとよいでしょう。
わたしたち、人間の歴史は、感染症との闘いと言っても過言ではありません。1929年にペニシリンが発見されるまで、感染症は多くの命を奪ってきました。様々な薬が開発された現在も、世界の各地ではいまだに感染症対策が重要な施策として行われています。
漢方医学では、ペニシリンがない時代から風邪の治療を行ってきました。前述の3つの漢方薬以外にも、症状に合わせていくつもの漢方薬が準備されています。もし風邪で困ったときは、漢方医学を思い出してみてはいかがでしょうか。きっと、あなたの健康に役立つと思いますよ。
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