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水を通してココロ・カラダぐんぐん!お母さんたちの子育てを応援するマガジン

2019.05.24 | 育児

赤ちゃんとのコミュニケーション 〜受信力の育成〜

子どものコミュニケーション力を育てる!【第2回】



赤ちゃんはまだ言葉で意思を伝えることができませんが、すでに言葉を用いて意思疏通を行う準備を始めています。

「この人は自分に何か言いたいことがあるみたい。じゃ、聞かなきゃ」という聞き手としての受信力を育てているのです。

(記事監修/東京学芸大学教授 松井智子)



生まれてすぐ始まる!コミュニケーションの基盤づくり



コミュニケーション時の最大ツールである“言葉”。

1歳になるころから意図を込めた言葉を発し始め、1歳後半には語彙(ごい)が拡大し、片言での反応ができるようになっていきます。


ただ、こういった言葉を用いた意思表示をするずっと前から、赤ちゃんは言葉によって意志疎通を行う準備を始めていることが明らかになっています。


コミュニケーション力を構成するさまざまな要素のうち、最初に発達するのは「目の前の人が自分に何かを伝えようとしている」ことに気づく、“伝達意図をキャッチする力”です。


この、お母さんがこちらを向いて言葉を発していたら「自分に話しかけている!」と察知し、「聞かなきゃ!」と耳を傾けようとする姿勢の育成は出生直後から始まり1歳ぐらいですでに備わってきます。

このことは、自分を見て話しかける人とそうでない人への反応が異なることからわかってきました。



赤ちゃんとのコミュニケーションは1.情緒豊かに 2.高い声で 3.会話モードで




では、お母さんはどのように赤ちゃんの“伝達意図をキャッチする力”を育てていけばよいのでしょうか?


1.情緒豊かに


体をしっかりと赤ちゃんに向け、目を見て「あなたに伝えたいことがあるの。だからちゃんと聞いてね」や「あなたはどう思うかしら」など気持ちを込めて情緒豊かに言葉をかけます。

工夫を凝らしてさまざまな刺激を与え、しっかりアピールすることで、“何かを訴えられている”という赤ちゃんのアンテナを磨いていきましょう。


2.高い声で


赤ちゃんの耳に届く音の幅は大人より狭く、高い声の方が聞きやすくなっています。


お母さんに呼ばれると、1〜2歳児でもちゃんと振り向くことができます。それは、お母さんの高い声は生まれる前から聞き慣れており安心感があるからです。

お母さんの声は、つぶやきや独り言であっても赤ちゃんの耳に届いているのです。


一方、お父さんの声は低くて聞き取りにくく、2歳ぐらいまでは、聞こえてないことが多いことが研究でわかってきています。


赤ちゃんへの言葉を用いたコミュニケーションではお父さんにハンディキャップがあることは否めません。

それを補うことができるのが、スキンシップ。


この時期はたくさんだっこしたり、一緒にお風呂にも入ってあげたりしてください。

2歳ぐらいになれば、お父さんの声もちゃんと聞き取れるようになっていきます。



3.会話モードで


お母さんが会話モードで話しかけている子どものほうが、普通に話しかけられる子よりも言語の発達が早いということも研究によって明らかになっています。


会話モードで、赤ちゃんがちゃんと言葉を理解しているという前提で「○○だよね」と話題を投げかけてみましょう。

実際に返事はありませんが、答えが返ってくるだけの間(ま)をおきます。


そして、「あっそうか」といった返事をします。

その後も「じゃあこれはどうかな?」(間)「そうだね」と続け、赤ちゃんとの“エアー”会話を続けていくのです。


会話モードが優れているのは、たくさんの言葉をかけるきっかけとなるので言葉の発達が促進されることです。

また、赤ちゃんの頃から話し相手の存在を意識させる工夫が、コミュニケーション力や人の心を推測する力の育成を大きく後押しすることに結びつきます。


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