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水を通してココロ・カラダぐんぐん!お母さんたちの子育てを応援するマガジン

2018.03.15 | 育児

笑って子育て! お母さまのストレスマネジメント【第3回】

お子さまが「期待に応えてくれないと」いうのも、お母さまのストレスの一因ではないでしょうか。

今回は、「お子さまにどんな気持ちで向き合えばいいか」を、育児学の専門家で、白梅学園大学学長の汐見稔幸(しおみ としゆき)さんに伺います。


【第3回】お子さまの伸びのスタイルを見つけ、子育ての名コーチに! 


Q.「何度言っても聞いてくれない」、「思ったように育たない」ことが子育てのストレスの原因になっている気がします。軽減のコツを教えてください。



A.お子さまに対する不満は、確かにストレスの大きな原因になります。

ただ、ここで改めて考えたいのですが、子どもは親が望むように育つものなのでしょうか? 

自ら考えて,自分の意志で行動を起こす。

それが成長することですから、お子さまはお母さまの思うようには育たないものなのです。むしろ、お母さまの思うように育ってしまうほうが心配です。


たとえば、「ピアノが弾けるようなかっこいい男の子にしたい」というような限定された期待を抱いてしまうと、お母さまもお子さまも共に苦しむことになりかねません。

「思いやりのある子に育ってほしい」といった大きな意味での願いや指針をもつことが大切です。


Q.では、具体的にどのように願いや指針をもてばよいのでしょうか。



A.子育ては、お子さまの長所や持ち味を見極め、それを伸ばすのが理想ではないでしょうか。そういったことを職業にしているのが、コーチと呼ばれる人です。

昨今は「君のクロールは、キックは弱いけれど、肩の動き、水のかきかたがとてもよいからきっと速くなるよ」というように選手の長所を見つけ、褒めながら才能をどんどん伸ばしていくコーチが求められています。

子育ても同じです。


「石橋を叩(たた)く前に渡っちゃう」反応の早いお子さまもいるでしょうし、逆に「石橋を叩いて引き返しちゃう」慎重派もいます。また、「このくらいしかできないの?」という言葉に、発奮する子もいれば、やる気をなくして投げ出してしまう子もいます。

子どもの成長のスタイルやタイプは、子どもの数だけあるので、生まれもった性格や才能をよくよく観察して、お母さまが伸びのスタイル・タイプを見極めることが大事です。


Q.伸びのスタイルを見つけるにはどうすればいいのでしょうか。



A.たとえば、いつも「早く、早く」とお母さまの口から出てしまうお子さまは、効率第一の時代に「ゆっくり時間をかけてできる」という一つの能力の持ち主だと捉えることができます。たぶん、きっちりやらないと気が済まない“タイプ”なのでしょうから、時間がかかることを上手に伸ばせば、どんな仕事でもじっくりやるはずです。


名コーチならそんなお子さまには「早く!」ではなく、「納得のいくように、丁寧にやってごらん」という言葉をかけるかもしれません。

心に余裕があると「面白い子ね」と思えるのに、心がいっぱいだと同じ状況でも「何をしているの!」となりがちです。


心に余裕をもって、その子の生まれもった性格や資質を「面白い」ものとして、なにごとも“善い”一面として見てみるのはどうでしょうか。そうすると子どもは自分で善くなろうとするものです。

「ダメ、ダメ」と言い続けるとお子さまは自分を否定して、自信をもちにくくなってしまいます。

「それがあなたのいいところね」と客観的に認めてあげるようになること。それはお子さまだけでなく、親が成長することにもつながるのです。



Q.逆に、やってはいけないことはありますか。


A.他人と比べることです。「お兄ちゃんはこうなのに、どうしてあなたはできないの!?」という言葉は、お子さまをとても傷つけます。

一人ひとりは、異なる遺伝子をもち、違う持ち味があるのです。

皆に同じ尺度を用いようとするから“比べる”という発想がでてきます。そして比べることで、その子の持ち味は潰(つぶ)されてしまいます。


価値観が多様化し、仕事の選択肢も広がっている今、お子さまを従来の尺度で測るのはナンセンスなのかもしれません。          

10代で自分の好きなことが見つかり才能を開花させる子もいます。幼い頃、お母さまがかけてくれた言葉が自信につながり、20代30代で大きく花開くこともあるのです。

“善く”見てあげたら、子どもは必ず伸びてきます。


第4回目は、「子育てサポートづくり! のすすめ」です。
どうぞお楽しみに。

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