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水を通してココロ・カラダぐんぐん!お母さんたちの子育てを応援するマガジン

2019.02.15 | 育児

子どもの“集中力”を伸ばすためにどうしたらいいの?

お母さまたちの子育てお悩み相談室【第6回】




「集中力をつけてほしい」という思いは、食事といった日常生活から学習まで、子育てのすべての場面で頭に浮かんできます。

“集中力”をどう捉えたらいいのか、親にできることは何なのかという悩みにお答えします。(記事監修/恵泉女学園大学学長 大日向雅美)



Q.子どもの集中力は、どうしたら育ちますか?



ものごとに一生懸命打ち込んでほしいという願いから、小さなうちからわが子に集中力をつけさせたいと思っているお母さま、お父さまは非常に多いように思います。就学前に集中力を身につければ、入学後の学習もスムーズに進むという期待があるのかもしれません。

しかし、そもそも、幼い子どもというのは、集中しているものなのです。


子どもは、遊びを通してものの概念・法則、人との付き合い方を学び、日々成長していきます。大人の想像が及ばないくらい遊びの天才で、キッチンで使うお玉をシャベルに早変わりさせて実に楽しく遊んでいます。


そうして子どもは自分の中にわき起こる興味に突き動かされているだけですが、他のことは目に入らずに、まさに集中しています。



Q.では、その高い集中力を保ちつつ、興味の範囲を広げていくにはどうすればいいのでしょうか。



子どもに多くのことを吸収させようと、いろいろな遊びに誘ったり、ゲームやパズル、自転車、子ども用タブレットなど、新しいものを与えるお母さま、お父さまがいらっしゃいます。しかし、あまりにそれが多くなり過ぎると、その子の興味は拡散して、集中力が分散してしまうこともないとは限りません。


子どもたちは「遊び」の中でわき起こる興味から「○○したい」という欲求を生み出し、それを達成することに喜びを感じ、「楽しい」という体験を重ねていきます。これが、成長のためのエネルギーとして蓄えられていくのです。「達成の喜び」の中で、集中力が育まれます。


大好きなお父さまやお母さまにおんぶされたり、風に揺れている草花を見ていたりしていることも素敵な遊びです。

ですから大切なのは、親が刺激を一方的に与えたり、言葉をかけることではなく、むしろ、子どもが自ら感じる「楽しい」という思いを邪魔しないことです。そのためには目の前のお子さんの様子をよく見守ることが大切ですね。




Q.集中力をつけるために、習い事に行かせようと思っているのですが。



幼少期に母がたくさん習い事をさせてくれたおかげで、私には習い事の楽しい思い出が数多くあります。私の娘たちもバイオリンやピアノを習っていましたので、留学先で音楽を通して友人をつくるのにとても役立ったようです。


スイミングスクールにしても、集中力うんぬんというよりも楽しく通うのが一番ではないでしょうか。意識しなくても子どもは好きなことをやっている時は、集中しています。だって水の中で沈まずに前へ進むのは、集中しているからですよね。



Q.好きなことだけでなく日常生活の中でも集中力を整えられたらいいと思っています。ただ、一日中やるべきことがたくさんあり時間的な余裕がありません。何か方法はありますか?




働いているお母さまも、あるいは専業主婦のお母さまも、今、どちらも忙しいことでしょう。ともすると、子どもたちに「早く早く」と急(せ)かしがちではないでしょうか。

そうして何かに追われるような気持ちの中で、わが子に集中力をつけさせようとするのは、かなり大変でしょう。むしろ子どもとゆったりむきあう努力と工夫が大切ではないかと思います。


たとえば、保育園にお迎えに行って家に帰った時など、すぐに家事などに取り掛からず、わずかな時間でいいので、子どもとゆったりすごす時間をつくれるといいですね。30分、それが無理なら15分でもいいのです。


抱っこして「今日どうだったの?」と話を聞いたり、ボーッとベランダからの景色を一緒に眺めるだけでも。あるいは一緒に洗濯物をたたんだりするのでもいいでしょう。目の前のタオル一枚たたむのでも、親が楽しそうにしていると、子どももタオルたたみに集中します。余裕があったら、早起きして一緒に散歩するのもいいでしょう。


穏やかな時間を共有することで、親子でゆったりと、しかしメリハリのある生活が送れたら、それ自体が生活を丁寧に楽しんでいる、つまり生活に集中しているといえるのではないかと思います。


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