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2019.04.26 | 健康

治療法が確立! 運動もできるようになった気管支ぜんそく

【医師監修】
アレルギーに負けない!
最新治療法+予防&症状軽減法を知ろう!【第4回】




子どものアレルギーのなかでも最も治療法が確立し、重篤な患者が減った気管支ぜんそく。

治療法の確立は、吸入ステロイド薬の開発の力が大きく、それによってぜんそくでも積極的に運動できるようになっています。

(記事監修/国立成育医療研究センター総合アレルギー科医長 福家辰樹)




気管支の慢性の炎症が刺激され発作を起こす



急にヒューヒュー、ゼーゼーという苦しい呼吸をし始めて、それを繰り返すのが気管支ぜんそく(以下、ぜんそく)。

気管支の内側にある炎症やただれが、アレルゲンであるダニやペットの毛、排気ガスから出るディーゼル粒子、たばこの煙などの刺激に反応して空気の通り道である気管が細くなって、呼吸がしづらくなるのです。

ヒューヒュー、ゼーゼーという音は、刺激を受けて狭くなった気管を空気が勢いよく通り抜ける音なのです。





発作は、気をつけなければューヒュー、ゼーゼーという喘鳴(ぜんめい)が聞こえず、日常生活に問題がないのに、走ると咳き込んだり、苦しくて立ち止まったりする「小発作」から、「中発作」、「大発作」、救急車を呼ぶべき緊急事態に陥っている「呼吸不全」まで4段階に分かれています。


発作の頻度が最も高くなるのは、9〜10月。6〜8月に繁殖したダニが9〜10月に死んで、ダニアレルゲンの量が増えるからだと考えられています。


近年、アレルゲンを吸い込むだけでなく、感染や冷たい空気の刺激で気管支が縮むことを繰り返すだけで気管支の炎症が進行することがわかってきました。

原因はダニなどだけでないことも知っておいてください。


ぜんそくの発作はいつ起こるかわかりませんから、保護者は、そのときのために園や学校を含め周囲に、お子さんがぜんそくであることを伝えておくことが必要です。


ぜんそくだけでなく風邪でも咳がでます。園や学校で咳をしていると、周囲の人は「風邪かな」と思うかもしれません。


しかし、風邪はくしゃみや鼻水などを伴いますが、ぜんそくだけの症状ではそれがありません。

また、風邪はウイルスによる感染ですから、他人にうつることもありますが、ぜんそくは炎症によるもので、感染しないのも違うのです。



吸入ステロイド剤誕生で治療効果がアップ



ぜんそくの症状は①慢性の炎症、②発作時の気管支の収縮という2つの容体があり、それぞれタイプの異なる治療薬を用います。


  慢性の炎症を対処するのがコントローラー(長期管理薬)で、リリーバー(発作治療薬)は②刺激を受けて細くなった気道をゆるめる効能があります。


コントローラーのなかで重要な位置にあるのが、吸入ステロイド薬です。


現在、ぜんそくの患者数こそ減少してはいないものの、入院者数や亡くなる方は大きく減っています。


多くの患者さんの症状が軽減されているのは、コントローラーとして用いられている吸入ステロイド薬の開発が大きな貢献をしています。

吸入ステロイド薬は強い抗炎症作用を有します。

強いというと副作用などが気になりますが、口から吸い込む“吸入”型にすることで気管支に直接届き、内服薬と比べて用いる量が非常に少なくてすむという長所が生まれ、高い効果が期待できるようになったのです。





運動がぜんそく治療効果を押し上げる!



「薬をできるだけ少なくして、最終的には止めていきたい」がアレルギー患者の共通の願いであることは間違いないでしょう。


そのためには、ぜんそくにおいては、適切な治療をするだけでなくアレルゲンであるダニやペットの毛など刺激物を減らし生活環境を整えることが大切です。


加えて、運動で体を鍛えることも効果的です。

というのも運動して体が鍛えられると肺活量が上がってくるので、発作が起こりにくくなり服薬する必要がなくなるのです。


ぜんそくの人が運動をし始めると発作が出ることがあります。

運動後5〜10分後で発作が最も強くなり、多くが30分程度で治まります。

気管支の炎症によるぜんそく発作ほどは長く続くことはありません。


こういった子どもたちが、コントローラーを適切に使用すれば、運動時の発作を抑えやすくなるのです。

そうして体を鍛えて薬から離れていく子どもたちはたくさんいます。


なかには「小発作」程度の症状を抱えていても自分がぜんそくだとは気づいていない「隠れぜんそく」がいることがあります。

皆と同じように動けないから「運動は苦手だ」と思い込んでいるのです。

こちらも適切な治療をすることで、運動時に苦しむことが減り、体を動かすことの本来の楽しさを知って運動好きになったりもします。


もしも、運動時に咳き込んだり、苦しそうにしている子どもがいたら、「隠れぜんそく」かもしれません。

一度、医師に相談することをお勧めします。


症状の軽減効果の高い吸入ステロイド薬がなかったころは、運動でぜんそく発作を起こす子どもが多く、ほこりのたたない場所で行う水泳はぜんそくを抱える子どもに適した運動として選ばれてきました。


しかし、よい薬が開発され、今は水泳に限らずどんなスポーツでも自由にできる時代になっています。