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水を通してココロ・カラダぐんぐん!お母さんたちの子育てを応援するマガジン

2018.02.15 | 健康

【医師監修】子どもの風邪は症状を見て!上手な対処法を知る【第4回】

お子さまの風邪には一時的に症状を軽くする薬などはありますが、根本的に治して症状を改善させる治療法も、特効薬も存在しません。

それならば、病院はどのように利用すればいいのかしら?そんな疑問にお答えします。


第4回
病院に行く? それとも家で安静にする? 
診察を受けるべき症状とタイミング 


日頃の様子と比べ、全身を見て判断

インフルエンザは、高熱を生じるため病院を受診するタイミングは計りやすいと言えます。一方、風邪はどこが引きはじめかわかりにくいため、「どの頃合いで診察を受ければいいのかしら」と疑問に思われるお母さま、お父さまもいらっしゃるかもしません。

お子さまが「いつもと違うぞ。風邪かな」「元気がないな」と思ったら、まずは体温を測ってみてください。

平熱以上で熱っぽかったら安静にさせます。しかし、ふだんどおりにしゃべることができ、食欲があるなら、病院に行かず家で様子をみるという対応も十分可能です。

発熱している時に大切なのは、全身の状態を見きわめること。

①頭や喉などを痛がらないか、②食事や水分がとれているか、③夜、安眠できているか、の3点をチェックしてみてください。風邪の重症度に応じて、物事に対する興味が落ちてくるので、大好きなおもちゃを手に取らないといったことも、目安として加えていいかもしれません。

全身状態を正しく判断するためには、日頃からお母さま、お父さまがお子さまの様子を把握していることが大事になってきます。幼ければ幼いほど、自分の体に起きていることを言葉で伝えるのは難しいものですから。

風邪には早めの対応が肝要!もし「風邪っぽいな」と感じたら、習いごとはお休みして、家で静かに過ごす、栄養のあるものを食べさせて早めに寝かせる。こういった対応で、風邪症状がはっきりする前に体力回復を図っておけるなら、それに越したことはありません。

解熱剤はあくまで対症療法

風邪には、特効薬はありません。さまざまな薬は症状を一時的に和らげるかもしれませんが、あくまで対症療法に過ぎず、根本的に治すわけではないのです。さらに言うなら、せきや鼻水は、体に侵入してきたウイルスや細菌を外へ追いやる働きをしています。従って、安易に薬に頼るのは考えものです。

では、いったいどうやって風邪が治まっていくのかといえば、安静にしてお子さまが自らの力で体力を回復させることしかありません。ですから、病院に行かずにホームケアのみで対応することも十分可能になってきます。

ただ、インフルエンザには抗ウイルス薬がある程度有効なので、冬の流行期の発熱時にはインフルエンザかどうかを判断するために受診する人が多いようです。それ以外にも「このまま家でみていてもいいですか」と確認するために病院を訪れるお母さま、お父さまもいらっしゃいます。

発熱を伴う風邪は小児科を訪れるのが一般的です。鼻や喉、耳に症状がでているなら耳鼻科での診察も可能ですが、小さな赤ちゃんの場合や、喉から下の気管支、肺も聴診器を使ってしっかり診察してほしい場合は、小児科での受診をおすすめします。

発熱に関して言うなら、解熱剤を使用すれば、確かに一時的に熱は下がります。しかし、根本的な治療ではないので、薬の効果が切れると同時に熱は再び上がってしまいます。また、発熱は病原菌と戦う体の防御反応なので、むやみに熱を下げる必要はありません。解熱剤の効果的利用法とは、熱による苦しさで十分に睡眠、栄養、水分がとれないときに使用し、熱が下がっている間に一時的にでも体力を回復させるというものです。熱があっても元気であれば、解熱剤を使用する必要はありません。

何回も使用して慣れているなら、市販の子ども用の解熱剤を薬局で購入してもよいですが、就学前のお子さまは大事をとって病院で処方された解熱剤を使用するのが安心です。


合併症のサインを見逃すな!

「風邪は万病のもと」ということわざのとおり、風邪が原因となって別の病気が発症することもあります。家庭では、合併症のサインを見逃さないように気をつけてください。

熱やせきがいつまでも続く、おしっこの量が減ってきた、耳を気にして機嫌が悪い……。そんなときは特に注意が必要です。

呼吸が速かったり、ゼイゼイしたりするときは、気管支炎や肺炎を引き起こしているかもしれませんし、脱水症や中耳炎もよくみられる合併症です。なるべく早い時期に病院での診察を受けてください。

(記事監修/愛育クリニック 小児科部長 澁谷紀子)


最終回は、
「ホームケアのポイント!温かく安静にし、栄養のあるものを食べること!!です。
どうぞお楽しみに。

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