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2019.03.22 | 健康

アトピー性皮膚炎 悪化因子対策・塗り薬・スキンケアで症状軽減へ!

【医師監修】アレルギーに負けない!
最新治療法+予防&症状軽減法を知ろう!【第2回】



2回目はアトピー性皮膚炎の発症メカニズムや治療法、予防策を解説します。乳幼児時期に有症率が高いのは、乳幼児時期の肌が乾燥傾向にあるからです。

そこで、乾燥とアトピー皮膚炎の関係も説明。これから来る夏に向け、アトピー性皮膚炎を悪化させないための工夫も紹介していきます。(記事監修/国立成育医療研究センター総合アレルギー科医長 福家辰樹)



湿疹やかゆみを伴うアトピー性皮膚炎



アトピー性皮膚炎は、アレルギーを起こしやすい体質の人や皮膚のバリアが弱い人に多く見られる皮膚の疾患です。湿疹やかゆみを伴い、治療には長期間を必要とします。


疾患の引き金になるアレルゲンは、家のなかにいるダニやほこり、皮膚についた細菌、汗、汚れ、花粉や食べかす、動物のフケなど。これらの原因が重なって発症します。かゆみの原因となる細菌は皮膚をすみかにする悪玉菌の1つである黄色ブドウ球菌です。


アトピー性皮膚炎の人にとって皮膚の乾燥は大敵! カサカサ肌になると皮膚の下にひそみアレルギー発症の機会をねらう偵察隊ともいえるアレルギー細胞が、表皮まで触手を伸ばしてダニやほこりなどのアレルゲンをつかまえ、本来攻撃すべきものではないのに退治する仕組みが作動してアレルギー体質を発症してしまうのです。



一般的に冬に生まれた赤ちゃんの肌は乾燥する傾向が見られます。幼稚園に上がる前までの子どもはもともと乾燥しがちなのです。乾燥が気になる場合、小学校に上がる前までは、日々のスキンケアとして保湿を行うといいかもしれません。


アトピー性皮膚炎有症率は、乳児で13%、3歳でも同じく13%という調査結果があります。肌が乾燥しやすい乳幼児は最も高くなるのです。ちなみに、調査では13%ですが、アトピー性皮膚炎の有症率は地域差があるので、一律にこういった数字がでてくるわけではありません。


「乳児も3歳児もともに13%」というのは、発症した乳児の治療が3歳まで継続している、ということではないのです。回復して治療を止めるお子さんがいる半面、新たに発症したお子さんもでてきます。

その後の有症率は、小学生で10%、大学生で8%と減少傾向をたどりますが、この間も、同じ人が継続して治療を受けているのではありません。


では、アトピー性皮膚炎の罹患者構成はどのように変わっていくのか?


幼児の罹患者が100人いたら、治療によって20%程度は完治。別の20%は治療を続け、残りの6割は完治まではいかないものの、症状がでたりでなかったりの状態に落ち着くというデータがあります。つまり約8割の人は、完治を含め生活には困らない容体へ移行していくのです。


アトピーの症状は、軽症(よく眠れて、皮膚炎の範囲も一部に限られる)、中等症、重症、最重症と4段階に分かれていますが、患者の80%を占める軽症の場合は、塗り薬だけでも改善します。なかには何もしなくて自然治癒していく人もいるのです。



治療の三本柱は、悪化因子対策・塗り薬・スキンケア



治療は、主治医と相談しながら行います。基本となるのは、以下の3つです。


①家のなかのアレルゲンなどの悪化因子を取り除く


症状を悪化させる要因となる、アレルゲンとなるダニやほこりを取り除くためにこまめに掃除し、肌に触れる寝具、パジャマ、肌着、靴下なども清潔に保ちます。


②ステロイドの塗り薬を中心とした薬による治療


炎症は皮膚の表面に近いところで生じるので、皮膚の表面から薬を塗る治療が中心になります。ステロイドの塗り薬がよく効きます。

体の部位によって、ステロイドの吸収度が異なるため、ステロイドが吸収されにくく効きにくい足と、効きやすい顔には、異なる薬が処方されます。湿疹が完全に消える前にステロイドを勝手に止めてしまうと、湿疹がぶり返してしまうので要注意です。


この他、抗アレルギーの飲み薬も症状によって併用することがあります。


③毎日のスキンケア


肌を洗って、皮膚に付着している黄色ブドウ球菌などの雑菌や汗、アレルゲンなどの汚れは取り除きます。

洗ったらなるべく早く薬や保湿剤を塗ります。肌はすぐに乾燥していくので、服を着る前に塗るようにするとよいでしょう。



夏を楽しく過ごすための日焼け、汗、プール対策!



夏は長期の休みやプールなどもあって活動範囲が広がります。夏ならでの活動を楽しくするために心がけたいことに触れておきます。


<日焼け>

皮膚を布で覆うのは手軽でありながら、一番有効な対策となります。

強い日差しの下での活動や登校時には、露出している手足や首を帽子、袖のある上着、タオルで覆うなど、できることからやってみましょう。


<汗>

汗自体には、抗菌作用や皮脂が含まれて、症状を悪化させることはありません。

ただ、時間の経過とともに抗菌力は失われ、次第にタンパク質や塩分による刺激が増えて、湿疹を悪化させることになります。

濡れタオルで汗を拭き取ったり、水で洗い流したりするのがお勧めです。


<プール>

消毒薬の塩素が刺激となる場合は、プールに入る前に水をはじくように白色ワセリンを湿疹のあるところに塗布しておくといいでしょう。