2018.10.12 | 健康
季節の訪れを知らせ、イベントを盛り上げる“食”
~頑張る子どもたちを食で応援! ・第1回~
スポーツが大好きで毎日体を動かしている子どもたちは、トレーニングする分だけ多く良質の栄養を必要としています。育ち盛りの子どもをどのような食事でサポートすればいいのか、全5回でスポーツ栄養の基礎をご紹介いたします。
今回は、四季それぞれに求められる栄養素の説明と、旬の食材を取り入れたイベント食の提案です。
旬の食材を使って必要な栄養素を摂る!
日本は四季の彩りにあふれ、さまざまな食材が楽しめる国です。体調や体温調節機能は、季節に応じて変化しますが、旬の野菜や果物にはその時期に必要な栄養素がたっぷり含まれています。積極的に食卓に並べることで、上手に体調管理に活用できます。
初秋は、夏に消耗した体力をリカバーする時期。水分や炭水化物の摂取を心がけ、ダメージを回復させましょう。秋の訪れを告げるブドウやナシなど旬の果物は、水分が豊富で、エネルギー補給にもってこいです。
樹々の葉が変わり始める頃は、風邪の季節に先駆け、粘膜強化がポイントになります。おすすめは、β‐カロテンが豊富なオレンジ色の食材。ニンジン、カボチャ、柿などを頻繁に食卓に登場させてはどうでしょう。
また、秋の味覚“キノコ類”は、食物繊維が豊富な上に、ビタミン・ミネラル類やアミノ酸も摂取できるので腸内環境も整え、免疫機能を向上させます。
○春
<活溌化する体の働き>
花粉症対策(免疫力アップ)、代謝力アップ、寒さを乗り越えた体のケア
<おすすめ食品>
イチゴ、柑橘類、キャベツ、豚肉・牛乳・卵などのビタミンB群など
○夏
<活溌化する体の働き>
熱中症予防、胃腸の強化(夏バテ対策)、紫外線対策
<おすすめ食品>
トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、ゴーヤ、鶏肉、豆腐など
○秋
<活溌化する体の働き>
夏の疲労回復、粘膜強化(免疫力アップ)、冬への準備
<おすすめ食品>
サンマ、鮭、サバ、柿、ナス、サツマ芋、豚肉など
○冬
<活溌化する体の働き>
体を温める、風邪対策、乾燥予防
<おすすめ食品>
ニンジン、ゴボウ、ショウガ、ネギ、小松菜、ミカン、納豆、ブリなど
★レシピ紹介★
四季を楽しもう ハロウィンで食べたい カボチャのグラタン
イベントは特別な日、食を思いっきり楽しむ!
旬の食材で「季節を楽しむ」以外にも成長期のお子さまが前にする食卓で常にもっていたいのが、「イベントを楽しむ」視点です。
誕生日やクリスマスといった特別な日にはイベント食で、食べる楽しみを盛り上げていきましょう。
栄養摂取に厳しい制限を設けているアスリートたちも、食を特別な日のご褒美として活用しています。
あるアスリートは「練習でも食事でも日常生活でもやるべきことはすべてやった」という思いを抱きながら、長年目標にしてきた大きな試合の前日、久しぶりに大好きなアイスクリームを一口食べ、自分にエールを送ったそうです。
こうした心の余裕が運を呼び込んだのか、魔が潜むともいわれる大会で自分のもてる力を発揮した彼女は、日本人初のゴールドメダリストとして表彰台の中央で笑っていました。
食は体だけでなく、心にも栄養やパワーを与えます。
その力を、体を鍛えているお子さまたちもぜひ活用してみてください。
イベント食に華やかさと栄養素をプラスして!
イベントのときは、おいしいものやスイーツなどお子さまの大好きなものが並びます。そこで、ちょっとだけ手を加え、上手に栄養面をサポートしてください。
例えば、お花見用にサンドイッチを買ったら、不足しがちな野菜をプチトマトや野菜ジュースなどを添えて補う、といった具合です。
また、ローストチキンとホールケーキで誕生日を祝っているとき、皆の前で新鮮な果物をカットしてフルーツポンチを作れば、目先の変わった演出になりつつビタミンなども補強することができます。
ハロウィン用のお菓子を作るなら、いつものクッキー生地に旬のカボチャやサツマ芋を入れこの時期ならではの、自然の優しい甘みを楽しむこともできます。
食べることはみんな大好き。イベント時にはお子さまの笑顔を思い浮かべながらいつもと違う、楽しさを加えてください。華やかさや雰囲気を盛り上げるのにも食は力を発揮するはずです。 (記事監修/スポーツ栄養アドバイザー石川三知)
第2回目は、「体づくりの始めの一歩! 『よく噛む』」です。
どうぞお楽しみに。