校舎からのお知らせ

2011年11月4日

イトマン多摩ニュース11月号★

安全に長く水泳を続けるために
〜シリーズ3〜

今月はシリーズ3として「平泳ぎ(ブレスト)」についてお話します。
平泳ぎ(ブレスト)は他の種目と違い水中から腕も脚も出ない独特な泳法です。 
水の抵抗をフルに受ける為に体にも大きな負担がかかります。
昔の平泳ぎ(ブレスト)は膝を広げて下肢で水を挟みこむように蹴る「ウェッジキック」という蹴り方でしたが
近年は膝の間隔は狭く、膝を伸展させながら内股で後方に強く蹴りだす「ウィップキック」という蹴り方が推奨されています。

しかしこの泳ぎ方は競泳的平泳ぎ(ブレスト)としての推奨でありマスターズ世代の身体構造変化はこの泳法に見合うもの
なのでしょうか?
年齢が進むにつれて骨・関節も同様に加齢的変化が起きてきます。
日常で関節に痛みを感じて整形外科を受診される方も少ないでしょう。
脊椎は椎間板の変性が起こり、関節は軟骨変性が起きてきます。
軟骨が変性すると潤滑油の生成能力が低下し、ぎしぎし音を感じる関節に変化します。
競泳的平泳ぎ(ブレスト)は呼吸時に上半身の上下運動も含まれるので脊椎や腰椎の過進展が強制されます。
「ウェッジキック」は膝内側の靭帯(内側側副靭帯)を傷めやすく「ウィップキック」は股関節・膝関節に大きな負担がかかる事が
わかっています。
どちらのキックにもこうした繰り返しの負担が様々な関節に障害を起こす可能性があるので自分に合ったキック法を選んでいく
必要があるのです。
さらに1990年代までは下記イラストの右側のように上体の動きが大きいスタイルだったのが21世紀に入ると下記イラストの
左側のように上体がフラットになるスタイルに変化してきました。
より水の抵抗を受けないスタイルが体への余計な負担を減らし、有効なキック(脚の動き)とプル(腕の動き)でスムーズな
平泳ぎ(ブレスト)を泳げるようにしたいものです。

泳法の中で平泳ぎ(ブレスト)が一番難しいとされています。
無理な蹴りだしや自分に合わない泳ぎではなく無理なく理想に近づけつつ関節や靭帯に無理のかからない泳法を見つけて
頂けるようコーチ一同サポートさせて頂きます!!
来月は「バタフライ」について紹介します(^−^)/